コンテナ輸出
VOL200 貿易で利益拡大!海外輸出の方法
リユース品海外輸出の現状と今後の可能性
リユース品の海外輸出に関するデメリットは、新たな利益化ルートを開拓する上では無視できないほど大きなものです。しかしリユース品の海外輸出の現状と今後の可能性を考えると、「このルートを活用しない手はない」と言えるほどのマーケットが広がっています。
続いてはアジア各国で日本のリユース品がどのように受け入れられているかを紹介します。
フィリピンは一大マーケットになっている
フィリピンは日本のリユース品の一大マーケットの一つです。現地には壊れたテレビなどを手作業で修理できる人材が揃っており、日本国内では修理コストを考えると売り物にならないようなものでも、しっかりと売り物に加工して販売できる体制ができあがっています。テレビ以外にも日本メーカーのミシンやCDラジカセなども、現地で修理されて商品化されています。
アフリカでは日本のリユース品が人気
遠く離れたアフリカでも、日本のリユース品は人気を集めています。例えばタンザニアでは新品の中国製の自転車よりも、中古の日本製の自転車の方が高値で取引されています。自転車以外のテレビや冷蔵庫などでも、現地の人たちには「早く壊れるが安い新品の中国製」か「長持ちするが高い中古の日本製」かという選択肢で悩んでいるという人が多いのだとか。
現時点であれば日本製品の耐久性や性能は世界トップクラスですから、まだしばらくこうした状況は続くと言えそうです。
カンボジアは新たなマーケットとして要注目
近年急速に発展を遂げている東南アジア諸国においては、今までは売れていたリユース品でも、近年は売れない(もしくは採算が取れない)というケースも見られるようになりました。そこで新たなマーケットとして注目されている国の一つがカンボジアです。
実際カンボジアのリサイクルショップでは、中古の家電はもちろん、時計や人形、食器など様々な日本製のリユース品が並んでおり、日本では売り物として扱えないようなものでも買い手がついています。同国の日本製リユース品のマーケットは今後拡大していくと考えられます。
リユース品海外輸出が抱える問題
日本の貿易統計の中古品の品目分類を見ると、この他にもベトナム、マカオ、香港、アフガニスタンなどにも日本のリユース品は輸出されています。しかしこうしたマーケットの拡大が、深刻な社会問題・環境問題を引き起こしているのも事実です。
例えば本来リユース不可能と判断されるべきもの(=廃棄物)を輸出する、不適正輸出もその一つです。特に家電に関しては大きな問題になっており、香港に輸出されたブラウン管式テレビやパソコンモニターなどが香港の税関当局で輸入を差し止められ、日本に返送されたという事例もあります。
また以下の2本の記事でも解説しているように、中国での雑品スクラップの受け入れが全面的に禁止されました。
これらのことを考えると、輸出する品物が本当にリユース品なのかどうかという点は、今後より厳しく判断されるようになると思われます。